SPECIAL
TALK
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特集記事
遊びの中で建設を学ぶ 「やまぐち建設フェス!」
2023年10月15日(日)、道の駅きららあじす横広場において初開催されたやまぐち建設フェス!。「来て見て触って楽しく学べる建設ものづくり」をテーマに様々な体験型イベントが行われ、多くの家族連れで賑わいました。イベントを主催した「やまぐち建設21の会」の中村欽光会長(住吉工業株式会社取締役)にお話を伺いました。
SPECIAL TALK 01
やまぐち建設フェス!を主催された「やまぐち建設21の会」とはどのような団体ですか?
「やまぐち建設21の会」は、平成9年7月に設立された団体です。会員は、山口県内で建設業を営む企業で、主に50歳以下の若手経営者の有志によって構成されています。現在、35社が参加しています。同様の団体が各都道府県にあって、中国5県、国単位の上部団体もありますので、全国の建設業の仲間とも繋がっています。
21の会の設立目的は、建設業界の仲間同士で様々な研修会を行い、お互いに切磋琢磨しながら、山口の建設業界全体を発展させていくこと、そして地域社会への貢献です。
活動の内容は、もともと公共工事を行う企業が多く参加していたため、発注元の国や県の公共工事に関する情報交換や意見交換が主要課題でしたが、ここ最近の活動としては、建設業の魅力発信に力を入れています。小中学生や高校生などの若い世代に向けて、建設業は魅力ある産業だということをいろんな側面からアピールしています。
SPECIAL TALK 02
やまぐち建設フェス!を開催された経緯や目的について教えてください。
これまで山口県内では、一般の方を対象とした建設産業を知ってもらう大々的なイベントがありませんでした。広島や岡山など近県では開催されているので、「山口でも、建設産業を遊びながら学ぶ、知ってもらうイベントをやってみたいね」と、21の会のメンバーの中でも多くの声が聞かれるようになりました。そこで、山口県に協力を依頼して、少しずつ形にしていきました。
構想自体は約2年前から、1年前に県の協力を得て実現したという流れです。
イベントの企画にあたっては、他県の事例も参考にしましたが、山口県の独自性にもこだわりました。我々の掲げたコンセプトは「遊びの中で建設産業を体験してもらうこと」です。やはり、楽しさがないと参加してよかったとはならないので、いかに子どもたちに楽しんでもらえるかを軸にイベントを考えていきました。
特に、建設業界で使われる重機やダンプなどは、日頃は遠目にしか目にしないので、身近に触ってもらうこと。また、実際に重機を操作するオペレーターは、すごい技術をもっているのですが、一般の人に見てもらう機会がないため、日頃磨いている技術を家族や一般の方々や子どもたちに見てもらうことでモチベーションもあがるだろうと。そんな場を作りたいと会員間で共有して、イベントを形作っていきました。
SPECIAL TALK 03
やまぐち建設フェス!の開催内容について教えてください。
先程、申し上げたとおり、「遊びの中で学んでもらう、知ってもらう」というコンセプトに基づいて、3つの大きなコーナーを設けました。①建設機械の試乗体験コーナー/実際に重機の操縦席に乗ってもらったり、写真撮影をするコーナー。大型のダンプカーに助手席に乗ってもらう試乗体験も行いました。②建設のおしごと体験コーナー/ドローンの操縦体験や測量ゲーム、スーパーボールすくい、ガードレールの設置体験などを会員企業のブースで行いました。③バックホウ選手権/油圧ショベルの一種のバックホウの技術を競うイベントで、各社の腕自慢が集結して、イライラ棒やペットボトル移しなど、一般の方々に見て楽しんでもらえる競技大会を行い、山口県ナンバーワンを決定しました。
どのコーナーも、イベント開始直後から行列ができる盛況ぶりで、会場は子どもたちの笑顔で溢れました。当日の来場者は、目標を1000人としていましたが、結果として2000人の来場を頂くことができました。来場者プレゼントとして、午前午後それぞれ先着200名に建設機械ミニカーを用意しましたが、あっという間になくなってしまいました。
集客については、山口県から県内すべての幼稚園や小中学校へチラシを配布して頂いたことも大きかったですし、我々21の会のメンバーも地域の商工会議所に周知協力を頂いたり、各地のコンビニにチラシを置いていただいたりしました。また、各社の社員の家族にも周知を行い、それぞれがママ友のネットワークを活用するなど、広く知ってもらったことが要因だと考えています。
SPECIAL TALK 04
イベントを開催してみての感想や課題などはありますか?
今回、イベントを開催してみての感想は、我々にとっても初めての試みでしたので、最初は手探り状態で、正直なところ何から始めたらいいのかという状態でしたが、21の会のメンバーそれぞれが色んなアイデアを出してくれましたし、前向きに取り組んでもらえたことで、いいイベントになったと思います。日常業務と並行する中での企画や準備作業だったので、皆さん大変だったと思いますが、何より我々自身がとても楽しむことができました。
目的としていた「遊びの中で建設を学んでもらう」ことは出来たのかなと思いますし、来場してくれた子どもたちの笑顔が本当に嬉しかったです。
反省点としては、バックホウ選手権の見せ方にもう一工夫必要だったかなと感じています。オペレーターの日頃の技術は披露できましたが、同じ目線だったため、もう少し上から見てもらうと分かりやすかったかなと。このあたりは、次回は改善したいと思います。
SPECIAL TALK 05
次回の建設フェス!に向けて構想があればお聞かせください。
我々も、これまでに建設業に興味のある高校生を対象としたイベントや体験会は行ってきました。ただ、それは、対象者が限定的だったので、今回のように、多世代の方を対象に幅広く多くの人に知ってもらうことの重要さを改めて実感しました。
イベントの後に色んな感想を聞かせていただきましたが、子どもたちだけでなく大人にも「建設産業に対する新発見があった」「身近に感じることが出来た」と言う声も頂きました。
子どもたちには、この遊びの中で得たものを記憶として残して欲しいですね。私自身、小学生時代の記憶って、この歳になっても残っていますので、今回の体験が、建設業の担い手不足の解消につながればいいなと思います。
そんな思いも込めて、次回のやまぐち建設フェス!は「記憶に残るフェス」をコンセプトに、新たな企画を21の会のメンバーと共に考えていきたいと思いますので、ご期待ください。
SPECIAL TALK 06
最後に、中村会長の考える建設産業の魅力とは?
やはり、「ものづくり」です。これこそが、我々、建設産業の最大の魅力です。学校やお店、病院や道路、橋などが新しく出来たり整備されることは、皆さんの生活が便利になることです。その便利の一翼を担えることが建設産業のやりがいです。我々も
新しい道路が完成したら達成感を感じますし、色んな人が使ってくれると嬉しく思います。そんな想いや感動を、うまく伝えていきたいなと思います。子どもたちが将来自分もやってみたいと思ってくれるように…。やまぐち建設21の会は、そんな想いを胸にこれからも活動していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
やまぐち建設フェス2023の様子をご紹介!