SPECIAL
TALK
09

特集記事

DXで変わる建設現場〜株式会社木村建設の取組〜

今、建設業界は大きな問題に直面しています。働き方改革や現場の人材不足、さらには業務のDX化への対応など課題は山積みです。その問題のうち、残業時間の削減や人材不足に対応する手段として注目されているのが建設DX化への対応です。建設DX化へ舵取りを行なった企業は山口県内でも数社存在します。そのうちの企業のひとつ、周防大島町に本社を構える木村建設様にDX化の導入のきっかけ、取組の内容、効果などについてお聞きしました。

SPECIAL TALK 01

DX化への取組_その1「ICT建機の導入」

1つ目の取組は、ICT建機の導入です。木村建設で導入されていた建機は、DX化された業界最先端の重機で、職人のスキルは関係なく誰でも乗るだけで操作を自動制御できる機械でした。

取材当日に周防大島町で行われていた工事は、路盤工事と呼ばれる平らな地盤に砂利を敷き詰める工事でした。工事の中で重機を使って砂利を均等な高さで敷くことは、非常に高いスキルが求められる工程です。使用していたICT建機は、測量データを機械に取り込み、現場の測量機とリアルタイムで接続することで、建機の複雑な操作が誰でも簡単にできるようになっているそうです。

(専務取締役 木村 彰吾 氏)
「今までは腕のある職人さんの技術があって、こういった道路が仕上がるといったイメージだったんですけど、重機に普段乗らない人でも、すごく綺麗な仕上がりで現場が完成するという点ではすごいと私自身も見て感動しています。」

SPECIAL TALK 02

DX化への取組_その2「点群データの活用」

木村建設さんの取り組みは、重機のDX化だけではありません。スマートフォンを使った業務革新も始まっています。
2つ目の取り組みは、高精度位置情報付きの点群データの活用です。衛星の位置情報とスマートフォンの機能を活用することで、無数の点の集合体として位置情報や色情報を取得することができます。

(専務取締役 木村 彰吾 氏)
「従来だったら、絶対3人位で集計をやっていたんですけど、この技術を使えば1人で2〜3分程度あれば、簡単に計測が可能になるんです。距離などは誤差数センチ程度の精度です。現場に行かないと確認できないものも、点群データを取得して実際に現況データとすり合わせたら、離れた事務所内でどこの高さも幅も見れるので、現場へ何回も行ったり来たりする手間が省けています。」

SPECIAL TALK 03

DX化への取組_その3「AR技術の活用」

3つ目の取組は、AR技術の活用です。

(専務取締役 木村 彰吾 氏)
「(AR技術を使った)3Dの施工データを現場に照らし合わせることによって、現場に入る前に完成イメージを確認できる。作業員との打ち合わせ等にも利用することができます。」

この技術を使えば、現場経験が浅い若手社員にも、完成イメージが一目で分かり共有しながら工事を進めることができるそうです。

SPECIAL TALK 04

DX化への取組_その4「デジタルツールの活用」

4つ目の取組は、時間や作業の無駄を省くためのデジタルツールの活用です。

(取締役 木村信吾 氏)
「弊社では、社員全員にipadを持たせています。このipadを使用することによって図面を持ち運んだり、業務の連絡調整を円滑に行えるようにしています。リアルタイムで図面を共有することができるので、図面に書き込んだメモを離れた社員とも共有することが可能です。現場で分からない箇所などの写真を撮影して相談するもでき、こういった使い方は非常に便利だと思います。無駄な紙などを持ち運ばずに済みますし、仕事中のちょっとした空いた時間にipadを取り出して、安全書類を作ったりしています。随時、記録を記入すれば、それがもう1つの資料となるので、そのまま発注者の方へデータの記録として提出できるんです。現場から帰って事務作業をする手間はなくなりました。仕事の効率化には繋がっていると思います。」

SPECIAL TALK 05

木村建設がDX化を推進した理由

そんな木村建設さんですが、DX化を進めたことには理由があったようです。

(専務取締役 木村 彰吾 氏)
「一番の大きな理由は、せっかく私も会社に戻ってきたので、もっと若い社員を入れて、今後は、より会社を発展させていきたいなという思いがありました。ARなどの技術を使うと、実際に1から勉強するっていうよりは頭に入りやすいし、現場にすんなり馴染めるっていうのが最初に感動したところです。DXを使うことで、もっと若い方々にも『現場って簡単にできるんだ』っていうのは伝えたいという思いがあって、DX活動を進めてきました。やはりDX化っていうのは、会社全体を通しても、なかなかとっつきにくいイメージがあると思うんですが、実際にいざ導入してみると、さまざまな業務効率化の面で改善されていくことがあります。山口県全体を盛り上げるためにもDX化を恐れるのではなく、興味本位からでもいいので、どんどん積極的に取り入れていって、県全体を盛り上げていきたいですね。」

SPECIAL TALK 06

当日見学に来ていた山口県土木建築部の若手職員の感想

「自分が受け持っている工事では、ICTの現場をまだ持ったことがなかったので、将来自分が担当した時の参考になる工事だったなと思います。」
「ICTを活用することは、業者さんはもちろん、私たち県職員にとってもメリットがあることだって今回教わったので、これから積極的に活用していきたいなと思います。」

山口県の発注工事では、木村建設さんのようにICTを活用した工事が年々増加しています。また、ICT活用工事を行う企業数も年々増えています。人手不足や業務の効率化、働き方改革など時代の変化に対応するため、山口県内の企業の意識も変わってきています。

SPECIAL TALK 07

山口県からのメッセージ

(山口県土木建築部技術管理課 建設DX推進班 主査 中越 亮太 氏)
「県内の建設会社の非常に参考となる取り組みだったと思います。県の若い職員も今日、現場を見させていただいたんですけども、当然、県が発注者としても、このICT活用工事をしっかり理解して、県内の業者さんに広めていかないといけないと思っています。
受発注者が1体となって、建設DXを進めていきたいと思っていますので、非常に充実したいい勉強会になりました。ICT活用工事やデジタル技術活用でお悩みや不安をお持ちの会社様がありましたら、山口県土木建築部 技術管理課建設DX推進班へお気軽にお問い合わせいただければと思いますので、よろしくお願い致します。」

山口県では、ICT活用工事やデジタル技術活用など建設DX化の導入を検討する県内企業の支援や相談を行っています。
ぜひ、ご活用ください。
<問い合わせ先>
山口県土木建築部技術管理課 建設DX推進班
TEL:083-933-3640

DXで変わる建設現場〜株式会社木村建設の取組〜

特集一覧へ戻る