SPECIAL
TALK
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特集記事

やまぐち建設産業働き方改革セミナーを開催 〜チーム力とマインドセットで一歩を踏み出す〜

建設業界では現在、「人がいないから仕事を取れない」「現場がまわらない」「ベテランに負担が偏っている」といった深刻な課題に直面しています 。こうした状況を打破し、今よりずっとラクに仕事を回せるようになるためのヒントを探るべく、「意識を変えれば会社は変わる」をテーマに、2025年6月13日、山口グランドホテルにて「やまぐち建設産業働き方改革セミナー」が開催されました 。 当日は、県内の建設産業の企業が参加し、●パネルディスカッション「建設ディレクター導入がもたらした効果」●セミナー/人手不足の建設企業が取り入れるべきマインド ~中小建設会社の皆さんへ~ (株)兵庫土木サポート 代表取締役 条谷貴志氏 ●セミナー/職人不足時代を乗り越える攻めの一手は“日報のデジタル化” クラフトバンク(株) 代表取締役 韓 英志氏 などが開催されました。会場には、経営層から現場リーダー・人事担当者まで幅広い層が集まり、これまでの当たり前を問い直し、視点を変えるための熱気あふれる学びの場となったようです。当日の様子をご紹介します。

SPECIAL TALK 01

パネルディスカッション/山口県内企業が語る「建設ディレクター導入がもたらした効果」

山口県内で実際に建設ディレクター制度を導入し、働き方改革や新しい職域の創出に取り組んでいる企業3社によるパネルディスカッションが行われました。山口県内の建設産業においても、労働環境の改善や生産性向上は避けて通れない課題となっています。

登壇した企業からは、現場事務を分担する「建設ディレクター」の導入事例や、ICT活用による業務効率化のプロセスが具体的に語られました 。単に制度を導入するだけでなく、いかに現場の社員一人ひとりと対話し、納得感を持って改革を進めていくか。地元の建設現場の最前線で起きているリアルな成功例と苦労話が共有され、参加者にとって自社の取り組みを見直す大きな刺激となりました。

●株式会社井原組 代表取締役 井原昌二氏
自社における「建設ディレクター」の導入をいち早く進め、現場技術者が本来のコア業務に集中できる環境づくりを推進。分業体制の構築がいかに現場の負担軽減と若手の定着に寄与するかを、経営者の視点から発信頂きました。

●山陽建設工業株式会社 総務部長 美正 龍大氏
ICTやデジタルツールを積極的に現場へ取り入れ、生産性向上とあわせて「かっこいい建設業」のイメージ発信にも注力。現場監督の業務時間をいかに削減し、クリエイティブな時間を生み出すかという実践的な取り組みを共有頂きました。

●日立建設株式会社 代表取締役 上村 隆晃氏
女性活躍の推進や、誰もが働きやすい職場環境の整備に尽力。制度面だけでなく、社内のコミュニケーション活性化を通じてチーム力を高める重要性を説き、多様な人材が活躍できる組織づくりのヒントをご提示頂きました。

パネルディスカッション動画はこちら

SPECIAL TALK 02

働き方改革セミナー①/株式会社兵庫土木サポート 代表取締役 条谷 貴志 氏

[テーマ/人手不足の建設企業が取り入れるべきマインド ~中小建設会社の皆さんへ~]

地元ゼネコンで26年間現場代理人や監理技術者を務めた経歴を持つ、株式会社兵庫土木サポートの条谷貴志氏が登壇しました 。
条谷氏は「人手不足の建設企業が取り入れるべきマインド」と題し、現場を知り尽くした視点から、中小建設会社が生き残るための「意識改革」の重要性を伝えました。

条谷氏が最も強調したのは、新しいテクノロジーや仕組みを「おもしろがって使う」という姿勢です 。多くの現場では、新しいツールの導入を「また仕事が増える」とネガティブに捉えがちですが、それを「自分たちの仕事をラクにし、現場を楽しくする武器」と定義し直すことで、現場の空気は劇的に変わります 。
また、「多様な人材が活きると、勝手にチーム力が上がる」という言葉の通り、性別や年齢、キャリアに縛られず、個々の得意分野を活かせる環境を整えることが、結果として強固な組織を生み出します 。
さらに「相手の立場で考えるクセをつける」ことで、発注者や協力会社、若手社員とのコミュニケーションが円滑になり、無駄な摩擦が解消されます 。

経営者やリーダーがほんの少し視点を変え、これまでの当たり前に疑問を持つことこそが、働き方改革の第一歩であるという条谷氏のメッセージは、参加者の心に深く刻まれました。

セミナー動画はこちら

SPECIAL TALK 03

働き方改革セミナー②/クラフトバンク株式会社 代表取締役 韓 英志 氏

[テーマ/職人不足時代を乗り越える攻めの一手は“日報のデジタル化”]
クラフトバンク株式会社の韓英志氏は、職人不足時代を乗り越えるための具体的な「攻めの一手」を伝えました 。
韓氏が注目したのは、多くの現場で依然として残っている「アナログな管理体制」が、いかに多くのムダと残業を生み出しているかという点です 。

その解決策として韓氏が提案するのが、最も身近な業務である「日報のデジタル化」です 。
紙の日報による管理は、情報の集約に時間がかかり、現場と事務所の往復などの非効率を招いています 。これをデジタルに置き換えるだけで、現場の稼働状況がリアルタイムで「見える・分かる」ようになり、迅速な改善が可能になります 。
韓氏の試算では、これによって月20時間もの残業削減が期待できるといいます 。この削減された時間は、単なるコストカットではありません。浮いた時間を若手の教育や新たな技術の習得、あるいは積極的な受注活動に充てることで、企業は「守り」から「攻め」の経営へと転換することができます 。デジタルツールを「目的」にするのではなく、あくまで現場をラクにするための「手段」として使いこなす。この割り切った姿勢こそが、デジタル化に二の足を踏んでいた中小建設会社にとって、最も現実的で効果的な改革の指針となったようです。

セミナー動画はこちら

セミナーを通じて強調されたのは、「ほんの少し意識を変えるだけで、会社が変わり、業界全体が変わっていく」という希望あるメッセージでした 。ムダを減らし、仕事を分担し、若手を育てる 。こうした「当たり前」を一つずつ実行していくことが、建設産業の未来を切り拓く唯一の道です。

山口県では今後も、ポータルサイト「やま建Navi」などを通じて、働き方改革に取り組む企業の魅力発信を支援していきます 。本セミナーで共有された「マインド」と「手法」が、山口県の建設現場のすみずみまで浸透し、より多くの若者が「働きたい」と思える魅力的な業界へと進化していくことが期待されます。

建設産業働き方改革セミナー① 人手不足の建設企業が取り入れるべきマインド ~中小建設会社の皆さんへ~

建設産業働き方改革セミナー② 職人不足時代を乗り越える攻めの一手は“日報のデジタル化”

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