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特集記事
現場見学がもっと身近に!学生発のマッチングサイト「フラNavi」の挑戦
建設業界の人手不足解消と、学生のキャリア支援を同時に叶える革新的なプラットフォーム「フラNavi(フラナビ)」。徳山工業高等専門学校の学生たちのアイデアから始まったこのプロジェクトが、約2年の月日を経て大きな進化を遂げています。 「フラッと気軽にインフラ現場へ」をコンセプトに、県内企業と就職を目指す学生をダイレクトにつなぐこのサイトは、今や山口県との共同研究へと発展。2025年4月からの試験運用を経て、いよいよ2026年4月には本格運用が開始されます。現場見学の常識を塗り替えようとする「フラNavi」の現在地と、開発に携わる学生たちの想いに迫りました。
SPECIAL TALK 01
アイデアから社会実装へ。共同研究で磨かれたサイト設計
「フラNavi」の物語は、徳山高専の学生たちが全国コンペで受賞したアイデアから始まりました。当初はひとつの構想に過ぎませんでしたが、その高い志と実用性が評価され、山口県との共同研究という異例の展開を見せました。
開発チームは、地元企業からのスポンサー集めから、ユーザーインターフェース(UI)の劇的な改善まで、学生主体でプロジェクトを推進。特にこだわったのは「直感的な操作性」です。会員登録から見学の申し込みまでを極限までシンプルに設計し、学生がストレスなく現場にアクセスできる環境を構築しました。この2年間で、単なるアイデアは「社会を動かすプラットフォーム」へと着実に成長を遂げたのです。
SPECIAL TALK 02
地図で探せるワクワク感。試験運用で見えた確かな手応え
2025年4月に公開された試験運用サイト「フラNavi for 山口」は、早くも学生たちの間で評判を呼んでいます。サイトを開くとまず目に飛び込んでくるのは、県内の現場情報がプロットされたマップ機能です。
現場見学は「緑色」、研修会は「黄色」のピンで色分けされており、地図上から興味のあるエリアや工種を検索できます。申し込み状況も「残り○人」と一目で分かり、エントリーは登録済みの情報でスムーズに完了します。この約10ヶ月の試験期間だけで、夏休みなどを利用して約60名もの学生が実際に現場を訪れました。学校の教室では決して味わえない「本物のインフラ」に触れる機会を、サイトが強力に後押ししています。
SPECIAL TALK 03
インタビュー:現場を体験した学生たちの生の声
実際に「フラNavi」を利用して現場見学に参加した学生たちは、その利便性と学びの深さを実感しています。
「自分は橋やトンネルを見るのが大好きなんです」と語る学生は、夏休みの見学をこう振り返ります。「現場に行くと、橋の種類やトンネルの掘り方まで技術者の方がとても丁寧に教えてくれます。まだ授業で習っていない高度な内容も、自分の目で見て体験できるのが最大の魅力です。来年の長期休みも絶対にフラNaviを使いたいですね」。別の学生も「夜間工事の現場や爆破実験など、普段は絶対に見られない現場の情報が載っていてワクワクします。次はもっと珍しい現場に行ってみたいです」と、建設のダイナミズムに魅了されていました。
SPECIAL TALK 04
開発メンバーの苦悩と「イメージ改善」への願い
「フラNavi」を形にするプロセスには、学生ならではの産みの苦しみもありました。開発メンバーは、どのような想いでサイトを育ててきたのでしょうか。
「一番苦労したのは、学生が本当に必要としている機能を選定し、どうすれば迷わず操作できるかというデザインの追求でした」とフラNavi考案者:齊藤遥奈さん(専攻科2年)は語ります。
彼らが目指すのは、単なるマッチングにとどまらない業界のイメージ改善です。
「現場見学を通して楽しみながら学ぶことで、建設業の魅力を伝えたい。企業にとっても、自分たちの知られざる取り組みを学生に直接伝えることで、業界のポジティブなイメージを発信するきっかけになると信じています。」
自分たちの世代が使いやすいものを自分たちの手で作る。その熱意が、サイトの隅々に宿っています。
SPECIAL TALK 05
さらなる進化へ。「フラNavi for Girls」が描く多様な未来
2026年4月の本格運用を前に、プロジェクトはさらなる拡張を見せています。その一つが、女子学生の発案から生まれた、女性に特化したプラットフォーム「フラNavi for Girls」への展開です。
これまでフラNavi の開発を指導してきた土木建築工学科の海田教授は、「建設業界が抱える大きな課題の一つである、女性技術者の不足。「知る」という入り口を女性目線で作り替えることで、より多様な人材が活躍できる業界を目指そうという試みです。学生主導でアイデアを出し、形にしていくプロセスそのものが、今の時代にマッチした新しいものを生むために不可欠」と期待を寄せます。
山口県も、この取り組みが人手不足解消や県内就職率向上に直結する大きな可能性を秘めていると確信し、官民学一体となって持続可能な未来を整えようとしています。
「フラNavi」は、単なるWebサイトの枠を超え、建設産業と若い世代の距離を劇的に縮める架け橋になろうとしています。
学生が主導して「今の時代にマッチしたもの」を創り出し、行政や企業がそれを全力で支える。この理想的な産学官連携の姿が、山口県から全国へと発信されています。試験運用で証明されたニーズは、本格運用によってさらに大きな波となり、やがては「建設現場が、学生にとって最も魅力的な学びの場」となる日を引き寄せるでしょう。「フラNavi」が開く未来は、山口のインフラを支える誇り高き技術者たちを、次々と生み出していくに違いありません。
現場見学が変わる!?進化を続ける「フラNavi」に迫る!!